管仲 上・下 ; 宮城谷 昌光@10冊目
こんにちは水無月です。
4月になって週末キャンプが忙しかったのと、花粉症が酷くなって読書の時間が中々取れなかった事もあり、遅々としてページが進んでいなかったののですが、ようやく読破しました。
中国歴史小説の大家:宮城谷さんの”管仲” 上下巻を読破しました。
宮城谷さんの本は”楽毅”を読んで嵌まり、それ以来読み続けています。
管仲は名宰相と名高い春秋時代の偉人ですが、前半生の資料が極端に少ない様で詳しく描くのが非常に難しいみたいです。
私自身、史記を読んだ事があるので、管仲が名宰相という事は知っていましたし、管鮑の交わりや管仲、鮑叔の君主:桓公が覇者になる事も、その後の悲壮な死に方までしっていました。
そういう意味ではこの宮城谷さんの管仲 下巻はそういった史記で良く描かれている管仲をより詳細に描いている良作と言えます。
一方上巻は資料に乏しい管仲と鮑叔を描く訳ですから、多分に作者の推測、創作によって描かれています。
管鮑の交わりの背景や管仲が名宰相となり得た下積み時代を作者なりに少ない資料から精一杯想像を膨らませて描いていると思いますので賞賛を送りたいと思います。
が、少し長い気がしました。
下巻で桓公の宰相となる前後辺りから物語はテンポ良く進み読み進めるのが楽しくなります。これは資料が多く作者が描きやすい為だと思われますが、
一方で上巻の青年時代の管仲、鮑叔の描写は展開が緩慢でテンポ良く読み進めるのは難しい内容、文章となっていると思います。
まぁ、紀元前650年ほど前の話。。。今からおよそ2700年ほど前の話なので。。。そりゃ資料も無いですわね。
というか、多少どころかキチンと宰相の名前、偉業が資料で残っている事が偉業ですね。
ではまた!